■ 抄録・要旨
| 埼玉県の主要農作物のひとつであるコマツナでは、大気中のオゾン濃度が比較的高くなると、葉に可視被害が発現する事例が報告されている。コマツナなどの葉物野菜では、オゾンの被害が直接葉に現れるため、可視被害の発現程度によっては、農業者にとって、経済的に深刻な問題となるおそれがある。そのため、埼玉県では、オゾンによるこれらの作物被害を軽減するための手法を検討し、早急に提案することが求められている。そこで、本研究では、コマツナ(24品種)にオゾンを人工的に暴露し、可視被害の発現程度に基づいて、品種間におけるオゾン感受性の差異を評価した。
その結果、品種間のオゾン感受性の差異が確認されるとともに、品種によって葉の気孔密度が異なり、気孔密度の高い品種ほど、オゾンに対する感受性が強く、葉に被害が発現されやすいことがわかった。
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